スポンサーサイト

--.--.-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

映画「ただ、君を愛してる」

2007.03.30 Fri 17:18

映画館での公開から、ずっとずっと見たかった「ただ、君を愛してる」をやっとこさDVDで鑑賞するに至りました。

ちなみに「ただ、君を愛してる」の原作は、市川拓司著「恋愛寫眞 もうひとつの物語」。
この[もうひとつの]って言うのは、堤幸彦監督映画「恋愛寫眞 Collage of Our Life」のオマージュということ。

主人公二人の名前が同じで、最初の設定が似通っている以外は、まったく別の作品。

↑このことを分かっていない人が多いのが、たまにキズ。
一応、市川さんの作品を追いかけてる者としては、そこんとこを主張したかったり。

そんなわけで、ネタバレしまくりの感想いきます。
たぶん、長い。

いろいろ書きたいのだけど、ごちゃごちゃするので整理しつつ。


●「ただ、君を愛してる」主眼●

映画として、それなりにまずまずの作品だったと思う。
基本、話の流れは分かりやすくなっていたと思うから、原作を知らない人でもすんなり理解できたと思う。

でも、ストーリーよりも何よりも最高だったのは、静流役の宮崎あおい。
演技もだけど、彼女自身の魅力みたいなものが満ち溢れてたと思う。
ファンタジー的で、一歩間違えば、静流は物語の中で浮いてしまう存在なのに、すごく自然に溶け込んでた。
背の低い、子供っぽい、嘘つきな静流がそこにはちゃんといて、その存在だけで、この映画は見るに値するものになってたと思う。

で、ある意味それは、「ガラスの仮面」のマヤじゃないけど、彼女の演技が、他の全てを食ってた。
彼女の存在感が、誠人役の玉木宏を薄っぺらくしたし、大学生仲間達もあんまりピンしなかったのかも。

森とかNYの風景も、単純に綺麗で、大衆向きの青春ラブストーリー的に見易いものになってたと思う。

ただ、宮崎あおい以外の存在やらストーリー性と言ったものが薄い感じがした。
特に、静流とキスをした後の誠人の気持ちや、みゆきの気持ちなんかが、多少説明不足で、「え!いつの間に?」って思った人がいるはず。

このことや、その他気になる部分に関しては、原作とかとの関係もあるので、以下。


●原作に主眼を当てた時●

上記の通り、ストーリー性の薄さを書かずにはいられない。
その理由としては、3つ。

・時間の関係上のカット。
これは、仕方ないというしかないのだろう。
しかし、原作の映画にならなかった部分が、心理描写を描いたところであったことがイタイ。
例えば、誠人の友達に悪口を言われた後のドーナツビスケットを食べる場面では、静流は涙を流した。
海での競争はみずみずしい恋心が描かれていたはずだし。
風邪のとき匂いを気にした場面だって、映画では勘違いで済まされてしまったけど、原作ではちゃんと気づいてて言わなかったのだと、友情が表れていた・・・。
こういった部分は、心理描写や互いの関係性が上手く表現されていたところだったからこそ、カットされてしまうと、すごくサラッとしてしまって、心に響きにくくなってたと思う。

・誠人のキャラの違い。
映画の誠人は、ノー天気な天然キャラ。
そこが、ちょっと・・・読み込み違いというか・・・。
もちろん、原作の中でも誠人は結構優柔不断なところがあって、だから静流との関係を後悔してしまうのだけど。
玉木宏がかっこよすぎたというのもあると思うけど、人間性が非常に薄い。

・外国映画や英米文学部分のカット
市川さんのお話には良く出てくるけども、昔の映画や英米文学の引用とかがあるんだけども、その辺りがまったく触れられてなかった。
この映画を、「セカチュウ」や「いまあい」と並ぶ、大衆向け感涙映画にしようとしたからこそのカットだったと思う。
例えば、ちょっと独特なフランス映画チックな雰囲気だったりしたら引用もありだと思うし、ナイーブな感情表現なんかもあったろうに・・・。
もちろん、映画にするのなら、収益を見込めるものにしなくてはならないのだろうが。
市川さんは、それでいいのだろうか?

大体こんな感じにまとめられるかな。
あとは、しょうがないとは言え、脳内イメージとの違いが多々痛かった。
森林公園だと思っていた場所は、思いっきり立ち入り禁止の森になってたし。
学食での出会いの場面も、誠人のアパートも、なんだかなぁという感じで。
あ、ビーズクッションは、案外普通のクッションだったような・・・


●「恋愛寫眞 Collage of Our Life」との比較●

違う作品とはいえ、映像になったからには、多少触れておかないと。

両者の映画の間での一番の違いは、映像部分だったような。
どちらも、カメラを始終持ち歩いているのは同じなんだけども、写真の存在の仕方が全然違う。

「ただ、君を愛してる」の原作を読んだときは、写真も重要アイテムとなっていると感じたのだけど、映画になってみるとあんまりそんな感じがしなかった。
せっかくなら、静流らしい写真というのを、最後の展示では見せて欲しかったのだけど・・・いまいち。
「恋愛寫眞 Collage of Our Life」の方では、写真の一枚一枚にも感動したから、写真をアイテムとして使っているなら・・・と期待してしまったせいかもしれないけれど。


●最後に●

なんだかんだと書き連ねてしまったけれど、背景をまったく知らずに1から見てたら、この映画の印象はだいぶ違うのかも。

映画を見た最初の印象はさっぱりしていて良かったのだけど、結局は求めていたものが違ったことに落ち着いてから気づいてしまった。

映画化と聞いたときから気になっていた、静流の成長過程や写真展の様子が、だいぶ裏切られてしまったこと。
青春映画に終始し、この物語の基本だったはずの、誠人と静流とみゆきの、切なくも甘酸っぱい三角関係の心模様とかが、あまり読み取れなかったこと。
が、哀しかったのだと思う。

泣いた人がいたらしいけれど、感情表現がさらりとしていて、私としては泣けなかった。
写真展で誠人が泣いた場面で、多少冷めてしまったのもあるし、最後手紙を受け取ってにこやかな場面で、どうして笑っていられるのか分からなかった。
もう帰ってはこない静流と待ち続ける誠人の悲しみをもう少し感じたかった。

軽い気持ちで、見るのには適しているとは思うけれど、思い入れが強かった分、気になるところが多かった映画。
単純に楽しめたけれど、首を傾げたくなってしまうのが、ちょっと残念。

スポンサーサイト

comment

post a comment


管理者にだけ表示を許可する

trackback


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。